カゴ落ちの削減方法

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April 21, 2025
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カゴ落ちの削減方法

最近、オンライン決済に進む直前に、商品で一杯のカゴを放棄したときのことを考えてみてください。心当たりがありますね?それは、ショッピングカートの放棄としてよく知られている、オンライン買い物客にみられがちな行動だからです。最近のいくつかの調査によると、eコマースのビジターのおよそ70%が取引を完了せずにショッピングカートを放棄していることが明らかになりました。これにより、年間4兆ドルという途方もない収益が失われていると言われており、すぐにそのペースが落ちる気配はありません。

カゴ落ちが急増している大きな原因は、単に、消費者によるオンラインでの買い物の仕方の結果です。例えば、一部の消費者は、価格を比較する、後日購入するために商品を保存しておく、プレゼント候補を探すなど、ウィンドウショッピングの一形態としてオンラインショッピングを利用します。ですから、カゴ落ちには避けられない要素が常にありますが、その一方で、かなりの部分は容易に取り戻すことができます。

本稿では、カゴ落ちとは何か、なぜ起こるのか、そしてなぜそれが重要なのか解説し、放棄されたカートを取引の成功に転換する方法について、いくつか重要なヒントをお伝えします。

オンラインショッピングのカゴ落ちとは?

ショッピングカートの放棄とは、訪問客が商品をカートに入れたまま購入せずにサイトから離脱してしまうことをいいます。

ショッピングカートの放棄率は、コンバージョン率にインパクトを与える可能性のある決済処理に問題があるか否かを示す優れた指標であるため、eコマース企業にとって極めて重要な基準となります。ショッピングカートの放棄率は、完了した購入件数を作成されたショッピングカート数で割り、1からその数値を引いた結果に100を掛けることで算出することができます。

平均カゴ落ち率とは?

ECサイトの調査を行っている Baynard Institute によると、2024年の平均カゴ落ち率は70.19%です。この割合は、2006年から2023年までの49の調査の統計値の平均を取って算出したものです。最も低い放棄率は55%で、2010年のForresterによる調査で明らかになりました。一方、最も高い放棄率は84.27%で、2020年のSaleCycleによる調査結果でした。中央値は71%ちょうどでした。

しかし、カゴ落ちに関する同様の調査によると、2010年には上記よりはるかに高い放棄率が、2020年にははるかに低い放棄率が確認されました。したがって、時間の経過と共に意味のある変化が認められると結論づけるのは賢明ではありません。重要なポイントは、カゴ落ち率の健全な水準は60%から80%の間ということです。

ショッピングカゴ落ちが問題となる理由

カゴ落ち率が高いということは、多数の潜在顧客や売上が失われているということを意味します。この問題が長く続いていることが判明した場合、逸失した収益がビジネスに深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、多くのケースで、この損失は、買い物客が購入を完了しない理由を時間をかけて理解することで回避できます。

ショッピングカートを放棄する理由

以下で、ショッピングカートの放棄率が高い主な理由をいくつかご紹介します。

予想外に高い配送料

決済時に判明する予想外に高い配送料は、買い物客がよく挙げるショッピングカートを放棄する最大の理由の1つです。多くの消費者は、アマゾンのような大手eコマース企業が提供する早くて安い配送オプションに慣れていますが、小規模な企業では、それに太刀打ちする余裕はありません。

アカウントの作成義務

決済処理に追加のステップを設けると、それが何であれ、潜在顧客に購入を完了する気をなくさせる可能性があり、アカウントの作成は、そうした面倒なことの1つです。プロセス全体を価値に見合わない労力のように思わせる可能性があり、特に、そのサイトでまた購入するつもりがなければ、なおさらです。大勢の消費者が、アカウントを作成すると不要なマーケティング・メールが受信箱に殺到するのではと疑うのも、あながち間違いではありません。これを解決する簡単な方法は、ゲスト用の決済オプションを提供することです。

後で買う積立決済オプションへのリダイレクト

オンライン買い物客は気まぐれな傾向があり、ある特定の製品を買うつもりでウェブサイトを訪れた場合でも、衝動買いの場合でも、後で買う積立決済のオプションに突然リダイレクトされると、購入を完全に諦めるフローから離脱する十分な理由になります。

決済のセキュリティに対する懸念

決済のセキュリティに対する懸念は、突き止めることがより難しいショッピングカゴ落ちの1つの側面原因です。なぜなら、潜在顧客は、ただウェブページの見た目が古いとか、見慣れない決済ゲートウェイに不信感を抱いた、あるいは決済ページの安全性に対する信頼を喪失したといった単純な理由で購入をやめている可能性があるからです。また、顧客のレビューや体験談がない場合も、正当な企業としてのイメージを損なう恐れがあり、購入意欲が失われる可能性があります。

長く複雑な決済処理

たとえアカウントの作成を義務付けていないとしても、決済処理が複雑すぎたり、わかりにくかったりする場合には、買い物客は購入を完了する意欲がなくなってしまう可能性があります。ですから、製品を見つけてから購入するまでのステップが少なければ少ないほど良いと言えます。

利用できる割引コードがない

一部の賢い買い物客は、割引やプロモーションコードを使って値引きが適用されるときにだけ買い物をします。しかし、こうしたサービスの提供が必ずしも可能とは限らず、割引を受けられるときだけ自社から購入するよう顧客を誘導すれば、そこからまた別の問題が生じる可能性があります。ただし、初めて購入する顧客にインセンティブを提供すれば、長期的に利益につながる可能性があり、ライバル企業が同様のサービスを提供している場合にはなおさらです。

長い配送時間

商品の配達日が決済処理の最後まで明らかにならないことがよくありますが、この最終段階で、配送時間が予想よりも長い場合、顧客は購入を諦める可能性があります。配送料の場合と同様に、小規模なオンライン小売が、大手ライバル企業の配送時間と不当に比較されることはよくありますが、必ずしも競争が可能とは限りません。重要なのは、現実性があること、そして顧客の期待にうまく対応することです。

支払オプションの欠如

多くの場合、購入に際し、顧客には好みの支払方法がありますが、それは地域によって異なる可能性があります。支払方法の選択理由が、その方が信頼度が高いと考えている、あるいは高額商品は分割でしか買えない、のいずれであっても、決済時に希望する支払オプションを提供できなければ、購入か放棄かという大きな違いが生じます。

サイトの速度

サイトが遅かったり重かったりすると、いくつかの理由でカゴ落ちにつながる場合があります。第一に、買い物客は該当ページの読み込みに時間がかかりすぎるという理由だけで購入を諦める可能性があります。第二に、サイトが何らかの形で侵害され、信用できない証拠として受け止める可能性もあります。

技術的な問題

サイトの速度の問題と同様に、購入しようとした際に「403エラー」のような技術的な問題に直面すると、顧客は、時間がかかりすぎることを理由にして、あるいはこれをウェブサイトを信頼できない証拠と捉えて、購入を断念する可能性があります。

カゴ落ち率の算出方法

カゴ落ち率の算出は簡単です。成功した購入の総数を同期間に作成されたショッピングカートの総数で割ります。次に、1からその数値を引いて100を掛けます。これでカゴ落ち率がわかりました。

例えば、102件の購入が完了し、350のカートが作成されていた場合、次の計算をします。

102÷350=0.29142...

1-0.29142857=0.7085...

これに100を掛けるとショッピングカゴ落ち率は70.85%となり、正常範囲内に収まっていることがわかります。

カゴ落ちの削減方法

朗報は、ショッピングカートの放棄を削減する方法があることです。これからお伝えするヒントを活用して、放棄されたカゴを購入の完了に転換しましょう。

信頼できるプラットフォームの使用

健全な水準のカゴ落ち率を確保するためにできる最善の判断の1つが、信頼できる決済プラットフォームを選ぶことです。これはさまざまな形で役立ちます。まず、顧客に対し、SSL認証、HTTPS、検索バーに表示される鍵マーク(そのページが暗号化されていることを示しています)といった形で強い信頼のシグナルを送ることになります。つまり、サイトが疑わしく思えるという理由で、購入を断念することがなくなります。

信頼できるプラットフォームはまた、高度なトラフィックや取引に対応するように設計されているため、読み込み速度の遅さやバイヤージャーニーの妨げになりかねない不具合の影響を受けにくくなっています。

最後に、信頼できるプラットフォームには、バイヤージャーニーや決済体験をカスタマイズする柔軟性があるため、コンバージョン率が最大化します。

決済フローの誘導と簡素化

決済処理全体のどこまで進んだか、買い物客が一目でわかるようにすることは不可欠ですが、決済のステップが少なければ少ないほど、コンバージョンが増える可能性が高いことを常に念頭に置きましょう。カゴが放棄されないように、できる限りシンプルに保ちます。

自社の環境を守る

当たり前のことに思えるかもしれませんが、決済ページとのネイティブ統合の重要性を過小評価してはいけません。しかし、あまりにも多くの加盟店がこれを軽視しています。

これまで多額の資金を投じて、ブランドアイデンティティを構築し、可能な限り最高のオンラインストアを作り上げてきたのに、なぜ最後の最も重要な段階でつまずいてしまうのでしょうか。仮に、店を訪れて、支払いは裏口を通り抜けた向こうにある小部屋でするように言われたら、どう思いますか?おそらく拒否するでしょう。このことを念頭に、決済ページとオンラインストアをシームレスに統合し、ユーザーにフリクションレスな体験を提供することが不可欠です。

モバイルフレンドリー

最近では支払いの約3分の1がモバイルで行われています。ですから、決済時にカゴ落ちが起きないように、全ての決済フローがあらゆるモバイルデバイスに完全に対応していることが重要になります。

柔軟性で付加価値を提供

買い物客に柔軟に対応する機会を提供し、決済段階にあっても注文を変更できるようにすることが不可欠です。これは全てユーザー体験となります。買い物客に数量変更/商品削除の機能や商品追加のオプションを提供することで、継続的に付加価値を創出することになります。

利便性がカギ

ワンクリックの支払方法を実装し、顧客が、トークン化技術を活用して安全に保存された情報で、より簡単に支払えるようにします。これにより、顧客は、貴社の店舗で初めて購入した際に入力した情報を保存することができます。その後は、決済詳細を再入力する必要がなく、全てはワンクリックで完結します。

明瞭さ

以下を含む、重要な支払情報の全てを1つのページに表示します。

製品の詳細

購入者の情報(ID情報、請求先住所)

配達先住所および配達日

支払方法

プライバシーポリシー、配送に関する詳細、FAQ、返品ポリシーを決済画面の範囲内に表示

オーディエンスの把握

顧客のIPアドレスに基づいて言語を自動的に変更する必要があります。こうした些細なことが大きな違いを生み出します。

企業は、買い物客にとって可能な限り最高のオンライン体験を作り出すために多大な時間と資源を投入し、さらに、潜在的な買い物客を自社の店舗に呼び込む手段として、高額なマーケティングキャンペーンを展開しています。これほどの資金を投入した後、パーチェスファネルの最終段階、つまり決済ステップでビジターを顧客に転換できなければ、期待外れとしかいいようがありません。

ゲスト用の決済オプションを提供

先に述べたように、アカウントの作成を義務付けることは、潜在顧客の購買意欲を削ぐことになりかねません。そのため当社では、ゲストとして決済するオプションを買い物客に提供することを推奨しています。その場合でもやはりメールアドレスの入力は必要ですが、一度でも貴社のサイトで購入してもらえれば、その買い物客を将来、ロイヤルカスタマーに変える機会を得ることになります。

送料無料の提供

これは全てのビジネスで可能なことではありませんし、海外配送の場合には特にそうですが、送料無料を提供すれば、強力なインセンティブになり得ます。また、一定金額以上の購入に対する報酬として提供することで、容易に採算を取ることができます。

ページ読み込みスピードの最適化

ウェブサイトが重いと顧客の信頼を失う可能性があります。簡単な解決策は、サイトの可用性とアップタイムを常にモニタリングし、ピーク時の需要に対応できるように容量をアップグレードすることです。

誤判定による拒否を最小限に抑える

正規の取引が不正取引と疑われて拒否されることを意味する誤判定による拒否は、コストはかかるものの、容易に修正できるミスです。これを最小限に抑えるためには、誤判定がなぜ起きるのか理解し、各取引のコンテクストを的確に把握できる、より高性能なフィルターを不正検出システム内に構築する必要があります。また、過去のデータから学習して、不正な購入の試行と正規の購入の試行を的確に区別できる機械学習を不正防止戦略に組み込む必要もあります。

ワンクリック決済の提供

ワンクリック決済オプションは、顧客が購入を決めてから購入を完了するまでの間のフリクションポイントを削減するため、コンバージョン率を大幅に向上させる可能性があります。ワンクリック決済を実装するためには、将来の購入に備えて顧客の詳細情報を安全に保存するカード・オン・ファイル決済を有効にする必要があります。

これらのカードはトークン化によって保護されます。プライマリー・アカウント・ナンバー(PAN)などの機密性の高い情報は乱数列に置き換えられ、トークンとも呼ばれます。つまり、トークン化されたカード情報のみを保存することになり、ハッカーに盗まれたり、不正行為に使われたりすることがありません。当社のデータによると、カード・オン・ファイル決済はそれ以外の決済よりも、承認される可能性が8%高くなっています

代替決済手段の提供

決済時にできるだけ多くの代替決済手段を提供する必要があります。代替決済手段はデジタルウォレットや後払い決済(BNPL)、銀行振込、国内カードスキームなど、主要なカードブランドに属さない決済のタイプです。消費者は、自分の好みの支払方法を使用すると、購入を完遂する可能性がかなり高く、コンバージョン率が最大化します。

明確な返品・返金ポリシーの提示

顧客が購入ボタンをクリックする前に、返金・返品ポリシーの情報を簡単に見つけられるようにする必要があります。そのために、返金・返品ポリシーに関する情報を決済ページの下に入れるか、情報を入手できるリンクを貼ります。これにより、受け取った製品やサービスに不満があった場合には、返金されるとわかるので、安心して購入を続ける自信を顧客に与えることになります。

放棄されたカートの復活

リターゲティング広告や放棄されたカートのフォローアップメールは、買い物客に商品がカゴの中に残っていることを知らせる比較的優しい方法です。買い物客が簡単にショッピングジャーニーを続けられるように、メールかプッシュ通知で決済リンクを送信することが可能です。時には、こうしたことが購入を完了するために必要な後押しになり得ます。

Checkout.comで決済時のカゴ落ちを回避

現在、加盟店は誤判定による拒否で年間200億ドル、カゴ落ちで180億ドルの損失を被っています。ですから、こうした長年の問題に積極的に取り組むツールを採用している決済プラットフォーム、つまりCheckout.comのようなプラットフォームと連携する必要があるのです。

第一に、当社はトークン化を使用しています。これにより顧客の機密性の高いカード情報の代わりに、フリクションレスなワンクリック決済に使用する安全なネットワークトークンを保存することができます。

第二に、当社の統合プラットフォームアプローチは、決済のセットアップ全体に最大限の柔軟性を提供します。これにより顧客の好みに合わせて決済をカスタマイズし、コンバージョン率の最適化を図ることができます。

最後に、当社の Real Time Account Updater は、カードの紛失、盗難、期限切れによって支払いが行われないという事態が起きないことを保証します。当社の製品は、カード情報に変更があった場合、顧客が新しい情報を手動で入力する必要はなく、カード会社から自動的に情報を収集し、更新します。これによりフリクションが減少し、顧客の離脱を30%減少させることができます。

Checkout.com がカゴ落ちと闘う企業をどのように支援できるか、詳細をご覧ください。

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April 21, 2025 11:00
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